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運送事業者、荷主における新たな取り組みや成功事例にスポットをあてたインタビュー記事。(毎月第1週に更新)

秋田県から受託しエココンテナ・サービスを開始


◆◆ 秋印(株)
の場合 ◆◆

2010年10月

 秋田県は青果物の生産地である。しかし、県内で消費される青果物は県外からの流入量が多い。そこで、秋田県農林水産部では「ecoコンテナ」を使用した環境に優しい流通システムを構築し、併せて地産地消を促進するという事業を開始した。この事業は、従来の出荷容器である段ボール箱をプラスチック製の折り畳みコンテナに代えることで環境保全に貢献、さらにコンテナを何度も循環使用することで生産者のコストダウンを図るとともに、県内産の青果物を県内で消費する量を増やして地元経済の活性化を推進しようというもの。エココンテナによる青果物流通には、農家、JA、市場関係者、荷受け側である県内の量販店などが一定のルールの下で連携して取り組むことが必要である。その中でもとりわけ全体のフローの要となるのが、エココンテナセンターを設置してコンテナの保管、貸し出し・回収、使用済みコンテナの洗浄などを行うコンテナ事業者だ。



 同県は昨年8月に委託するコンテナ事業者を公募した。応募の資格要件は、保管施設を保有していること、トラック運送事業者であること、青果物の取扱実績があること、秋田市中央卸売市場と仕事の関連があること、その他である。秋印(本社・秋田市、三浦征善社長)はこれらの要件を総て満たしている。そこで同社では、事業の将来性や採算性その他を慎重に社内で検討し、経費試算などの資料を添付して応募したのである。審査の結果、同社がコンテナ事業者として選任され、正式に同社への委託が決定された。そして昨年9月には秋田県、中央市場の卸売業者、仲卸売業者、JA全農秋田、各農協、量販店、運送事業者などで構成するエココンテナ利用促進協議会が設立され、技術的な課題などについての話し合いがもたれた。秋印では、洗浄機を昨年に発注し、コンテナセンターの建設には今年の年明けに着手。また、折り畳み式コンテナ6万6000ケースも整えた。


 エココンテナセンターは秋印の秋田北インター営業所の敷地内に建設。3月20日に完成して、3月23日に引き渡された。そして5月19日に竣工披露を行い、6月から本格的にサービスを開始したのである。ちなみに、これらのコンテナ施設整備、折り畳み式コンテナ、運搬用台車、コンテナ洗浄機、流通管理用情報機器などは、コンテナ事業者に対して県が全額補助することが公募の条件であった。エココンテナは大中小の3種類のサイズがある。3種類とも幅と奥行きは同じで、いずれも600mm×400mmだが、高さは小が135mm、中が180mm、大が228mmである。各サイズの区別は、作業効率などを考慮して外観から一目で分かり易いように、小はオレンジ、中がブラック、大がブルーで色分けしてある。コンテナの使用を申し込む貸出事業者は、JAや中央市場の卸売業者、仲卸売業者、これらの関係者から委託されたトラック運送事業者などである。


 オーダー用のフォーマットがあり、貸出事業者は秋印に大中小それぞれの利用枚数などをFAXで発注する。オーダーの最少ロットも決めてある。一方、秋印内には受注センターが設置されていて、専用の電話、FAX、パソコンも備えている。オーダー用紙には届ける日づけも記入されているので、貸出事業者からのオーダーが入ると、秋印では指定された届け日に合わせてコンテナを届けるという仕組みだ。基本的には受注日を含めない3営業日以内に届ける。また、納入日の変更は土日祝祭日を除く3営業日以前に連絡があれば変更可能としている。空のコンテナは折り畳んだ状態で、専用パレットで運ぶ。1パレットに、たとえば大サイズのコンテナの場合には175枚を積むことができる。10t車なら16パレット、4t車では10パレットの積載が可能だ。オーダーが少ない場合には、県内で稼働している同社の車両に積み合せて届けるようにしている。



 貸出事業者はパレットをさらに農家などの青果物生産者に貸し出す。基本的には、農家などの生産者が貸出事業者に利用料金を支払うシステムだ。従来は青果物を段ボールに入れて出荷していたが、荷受け側では廃棄処分が必要だった。また、農家としてもコストダウンになり実質収入が増えることになる。コンテナには農家で青果物を入れて、JAや市場の卸売業者、仲卸売業者などを経て量販店などの小売業者に届けられる。使用済みの空コンテナは折り畳んで、基本的には卸売業者や仲卸売業者が小売店から回収。あるいはコンテナ事業者が回収するケースもある。センターに回収されたコンテナは、検品をして破損などの状態を調べ、洗浄機にかけて洗浄して乾燥機にかけたあと保管・管理する。秋印では、環境に優しいシステムであることなどをアピールし、量販店など川下からの営業展開をしていく方針だ。そしてエココンテナの導入を拡大したいとしている。

(物流ジャーナリスト 森田富士夫)





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